攻めと守り 2014 4 19

 相変わらず、欧米は、
「ウクライナ問題」で大騒ぎですが、
これを軍事的に見れば、どう見えるか。
 それは、2014年4月10日の読売新聞の記事にあったように、
中国の「攻め」とロシアの「守り」となるでしょう。
 近年、欧州(EUやNATO)は、確実に東へと拡大してきました。
つまり、ロシア(ソ連)は、東へと後退してきたのです。
 要するに、ロシアは、守りと後退を繰り返して、
ついに、その攻防がロシア国境近くまで及んでいるということです。
 一方、中国は、どうか。
これは、「攻め」と言ってよいでしょう。
 歴史的に、中国は、「海禁政策」を取っていました。
つまり、海を暗黒のものと考え、海に進出することを避けてきたのです。
 しかし、最近は、その中国が、
あえて海に進出してくるのですから、尋常なものではありません。
そういうわけで、中国の周辺国が危機感を感じるのは、自然でしょう。
 今のところ、日本は、尖閣諸島の問題で、
アメリカに泣きついていますが、
「あの時は、のん気なことを言っていたなあ」と思う時が来るでしょう。
 やがて、東南アジア諸国が、日本に対して、
「南シナ海を何とかしてくれ」と泣きついてくるようになるでしょう。
 要するに、アメリカが当てにならないからです。
今のところ、アメリカは超大国ですが、
やがて、誰の目にも「アメリカが地域大国になった」と思う時が来るでしょう。
 日本の海軍力は、世界第2位とも世界第3位とも言われています。
学者や政治家が、憲法9条をめぐって「神学論争」に夢中になっているうちに、
日本の海軍力が、世界トップレベルになってしまったのです。
 東南アジア諸国は、こう考えるでしょう。
「それほどの海軍力を持っているならば、我々を助けてくれ。
同じ民主主義国同士で助け合うべきだ」
 日本では、アメリカとの集団的自衛権をどうすべきかについて、
議論が白熱していますが、
今頃、そんな寝ぼけたことを言っているとは、
「将来の構想力がない」と言わざるを得ません。
 アメリカ不在の世界において、
東アジアの海軍力の中核を担うのは、日本です。
 そういうわけで、集団的自衛権の議論は、時代遅れであり、
本来ならば、そういう議論は数十年前に行うべきだったのです。
 今は、東アジアの海の安全保障は、
日本の海軍力で、どうやって維持するかを考えるべき時代です。
 アメリカの未来は、イギリスです。
「日が沈まぬ帝国」と言われた大英帝国は、
今や人々の記憶の中にあります。

Lexus-A 2014 1 25
 表題の「Lexus-A」とは、
東大准教授の池内恵氏が作った言葉だそうです。
 これは、「League of Ex US Allies」の略であり、
日本語では、「元アメリカ同盟国連盟」だそうです。
サウジアラビア、トルコ、イスラエル、日本、さらに英国がメンバーらしい。
 あのニュースは、「元同盟国」には、衝撃的でした。
「オバマ大統領は、シリア問題に関する2013年9月10日のテレビ演説で、
『米国は、世界の警察官ではないとの考えに同意する』と述べ、
米国の歴代政権が担ってきた世界の安全保障に責任を負う役割は担わない考えを明確にした」
(2013年9月11日の毎日新聞(毎日jp)のニュースから)
 ところで、オバマ大統領は、習近平国家主席にラブコールを送っていますが、
習国家主席は、深層心理では、オバマ大統領を嫌っているでしょう。
 オバマ大統領はリベラルで、市民運動家出身ですが、
習近平国家主席は、どうでしょうか。
 もし、習近平氏が、アメリカに生まれて、
政治家としてデビューするとしたら、
当然、共和党の右派で活躍することになるでしょう。
そういうわけで、馬が合わないと思います。
 オバマ大統領は、どちらかというとリベラルだった胡錦濤氏と、
政治的に、馬が合うはずです。
 ところで、本当は、習近平国家主席は、
安倍首相とは、馬が合うと思います。
共に保守系の政治家で、国家観も似たようなものです。
 今は、日中間で、政治的に対立してしますので、
首脳会談は難しいでしょうが、
腹を割って話せば、理解できるでしょう。
 2014年1月20日の産経ニュースWeb版には、このようなニュースがありました。
「中国ばかり見ている」オバマ政権は100%信頼できるか
気がかりなのは「オバマ大統領は、中国が呼びかけた、
『新型大国関係』に乗ろうとしており、
中国ばかりを見ている」(元アメリカ政府関係者)という点だ。
 日米の決定的な相違として浮かび上がるのは、
対中脅威認識の格差である。
 中国は、日本にとって「眼前の脅威」だが、
オバマ政権は「差し迫った脅威ではない」と認識している。
(引用、以上)








































































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